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東芝クリーンルームファーム横須賀の閉鎖から学ぶこと [農業]


東芝は2016年10月6日、植物工場「東芝クリーンルームファーム横須賀」を2016年12月末をもって閉鎖し、レタスなどの野菜生産と販売を終了することを発表しました。

「東芝クリーンルームファーム横須賀」は、旧フロッピーディスク工場の建物を転用した植物工場で、2014年に生産を開始しました。

LEDと蛍光ランプ光、不純物の無い水などを活用し、レタスやベビーリーフなどを無農薬で、ほぼ無菌状態で育てる栽培をしていました。

無農薬なので洗わずに食べることができる、雑菌が少ないため露地栽培野菜よりも日持ちが良くなりうる、というメリットがあるものの、露地栽培の野菜より価格が高くなることなどから、販売が伸び悩んでいたようです。

大企業が先端の技術を活用しても必ずしも成功できないほどに、農業経営は難しいものだと、改めて感じました。

農業の成功の鍵は、生産だけでなく、流通(いかに売るか)にあると、改めて思いました。
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日立キャピタルのイチゴ栽培参入 [農業]


2016年5月7日の日本経済新聞朝刊で、日立キャピタルの農業事業への参入が紹介されています。

沖縄県内にイチゴを生産する植物工場を建設し、2017年1月の収穫をめざすそうです。

沖縄県読谷村の地元住民から借り受けた約2,600平方メートルの敷地に、イチゴ栽培用の温室を建設し、生産開始3年目で年4.5トンの収穫をめざす、と紹介されています。

イチゴは暑さに弱いため、沖縄での栽培は難しいとされてきましたが、信州大学が開発した暑さに強い品
種を、冬から春ごろにかけて栽培するそうです。

これは信州大学農学部が開発し、2011年に品種登録された夏秋イチゴ「信大BS8-9」のことでしょう。
「信大BS8-9」は四季成り性品種であり、味や外観もよく、病気にも強い、輸送耐性も強い、といった特色を備えているとされています。

イチゴ栽培は、過去の記事「イチゴの栽培方法」「農業におけるイチゴの価格を考える」などでも考えたように、栽培方法や流通のあり方によって十分な収益が見込める期待農業の1つです。

民間企業による農業の活性化に、大いに期待したいと思います。

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富士通とオリックスによるスマートアグリカルチャーの開始 [農業]






大企業による農業への進出が進んでいますが、このたび富士通とオリックスが、静岡県磐田市での農業の開始を発表しました。

富士通、オリックス、増田採種場(本社磐田市)が、磐田市に「株式会社スマートアグリカルチャー磐田」を設立し、ITを活用した農業を開始します。

設立された会社の資本金は1億円で、株主構成は富士通51%:オリックス39%:増田採種場10%です。

磐田市、種苗会社、農業生産者、流通業者、食品加工会社など、広くパートナーの協働で、食・農全体にわたるビジネスを展開していくようです。

事業用地は約8.5ヘクタールを確保し、当初従業員は15名で、ケールやトマト、パプリカのハウス栽培などを行っていくようです。

サラダ用ケールなど、需要は高いものの、作りにくいなどの理由によりあまり作られていない農作物を、ITを活用して安定的に生産し、付加価値の高い作物を生産していくようです。

大手企業の参入やIT活用により、農業がますます魅力あるビジネスになっていくと良いと思います。
今後の事業展開に期待したいと思います。

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京野菜というブランディング [農業]





 京野菜という、京都の伝統料理に使われる野菜があります。
 まるまるとして大きな賀茂なす、同じくまるい聖護院だいこんなど、特徴ある形と名称が広く知れ渡っているものも多く、ブランディングの成功例の1つであると思います。

 京都は、料理もブランディングされています。京都の懐石料理、精進料理、おばんざい、等々。
 京都に行き、地元の料亭などで京野菜を使った京料理を食べるということは、特別な経験のように思えます。

 京野菜を作って売るというだけでなく、京都で料理として提供するところまで一貫して行うことができれば、農業の良い収益性も確保できるのではないかと思います。
 他の土地で、京都と同じほどのことはできないとしても、参考にすることはできるのではないか、と思います。

 京都の有名な旅館「俵屋」で供される料理の、お米や野菜は、越畑という、京都の中心部から車で1時間くらいのところにある、棚田でも有名な村落で作られるものだそうです。
 お米や野菜は無農薬で作られ、お米は必要な分を毎日のように精米して、俵屋に届けられるのだそうです。

 農家の方が心を込めて、労力をかけて作られた、優れた作物は、安く売られてしまうことなく、買う人にその価値を伝え、価値に見合った対価で食べてもらえることが大切であると思います。
 京野菜を考えることは、そのヒントを与えてくれるのではないかと思います。
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ホクリヨウ様という鶏卵事業の上場会社に学ぶ [農業]





 今年2015年2月に株式会社ホクリヨウ様という、主に鶏卵の生産と販売を営む、札幌に本社を持つ会社が東証2部に上場しました。時価総額は今日2015年4月27日の時点で40億円くらいです。

 同社は北海道の養鶏では半分くらいのシェアをお持ちで、直近の決算では、ホクリヨウ1つの会社で売上120億円弱、経常利益7億円超、最終利益4億円超という数字です。
 ニワトリを育てて卵をとって、という事業で、これほどの売上や利益を計上しているのはすごいことだと思います。

 同社の北海道内における飼養羽数は252万羽とのことです。同社の卵の年間売上高は、決算書からおおまかに推測すると81億円くらいではないかと思います。ニワトリ1羽あたりの年間売上は3,219円くらいという計算です。
 ニワトリは少し飼うことで利益が上げられるものではなく、たくさん買うことで初めて利益が獲得できるのであろうことが分かります。

 同社の決算書には、建物が85億円、機械が63億円計上されています(ともに減価償却をする前の金額、つまり買った時の金額です)。
 土地11億円とあわせると、累計で160億円以上のお金がかかっています。

 これら養鶏のための設備を買うお金は、銀行からの借入が最近でも40億円以上残っていますが、もともとの資本金は3億円で、それから利益を35億円貯めることでも資金を賄っているようですから、積極的かつ堅実的な経営であると言えるでしょう。

 農業を始めるというと、小さく畑を耕して、というイメージになってしまうかもしれませんが、農業の発展のためには、きちんとした利益を継続的に獲得できるようでなければいけないと思います。
 資金を準備して、投資もして、経営管理をして、ということが必要でしょう。
 ホクリヨウ様の上場には、そのようなことも勉強させられました。
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小さなワイナリーの事業規模 [農業]






自分の畑でぶどうを育て、ワインを醸造する。
そのようなワイナリーを小さくても作ろうする時、どれくらいの規模が必要でしょうか。
ここでも正確な数字ではなく、とてもおおざっぱに、ぼんやりと考えてみたいと思います。

ワインなどお酒を作るためには、国の許可が必要です。
製造しようとするお酒の品目別に、 製造場ごとに、税務署から製造免許を受ける必要があります。

ワインの場合は果実酒製造免許が必要で、年間6キロリットル以上の生産が義務づけられています。
6キロリットル=6,000リットルは、ワインの国際標準のボトル750mlでは8,000本分です。
ワインの木樽は1つの容量が225から228リットルくらいですので、木樽では27個くらいに相当します。

ワイン特区として認可されている市町村では、義務づけられる生産量が2キロリットルへ引き下げられています。
通常の場合の1/3ですので、ボトルでは2,700本くらい、樽では9個くらいです。

ただしワイナリーを経営として続けていくためには少なくとも年間10,000本の生産、本当に経営を安定させるためには年間7万から10万本くらいの生産が必要、とも言われています。

ワインを作るためのぶどうを、すべて自分の畑で作ろうとする場合、植え方や収穫量などにもよりますが、ワイン10,000本あたり畑1〜3ヘクタールくらいの広さが必要とされるようです。

おおまかに、ワイン1本(750ml)を作るために、ぶどうは1kgくらい必要です。
ぶどうの木1本からは、育て方にも天候にもよるので幅が大きいですが、800グラムから20kgのぶどうがとれるようです。

年10,000本を生産するためには、畑は2から3ヘクタール必要でしょう。
ぶどうの木は、3,000本以上が必要でしょう。

年70,000本くらいを生産するためには、畑は7ヘクタールくらい、ぶどうの木は20,000本以上が必要と思われます。

ロマネ・コンティの畑は1.8ヘクタールほど、年間生産量は平均して6,000本くらいだそうですが、それは参考にするわけにもいかないでしょうから、現実的には上記の数字が目安になりそうです。

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イチゴの栽培方法 [農業]






イチゴには多くの栽培方法があり、新しい栽培技術の開発・改善も、日々進められています。
ここでは大きく、露地栽培、ビニールハウス栽培、高設栽培の3つを紹介します。
(高設栽培はビニールハウスの中で行うことも多いので、後者2つは一緒に行うことができます)

1. 露地栽培

ビニールハウス等を用いずに、イチゴを地面に植えて育てる方法が「露地栽培」です。
イチゴは一季成りの品種の場合、自然条件では、冬を冬眠して過ごし、春になって育ち始め、寒冷地では6月から7月頃が収穫時期になります。

露地栽培は設備費がかからないのが利点ですが、収穫時期が1年のうち3週間ほどの短期間に集中するため、十分な収入を安定的に得るには難しいと思われます。

2. ハウス栽培

ビニールハウスを利用し、温度や日照を管理することで、イチゴの収穫時期を自然条件下からずらし、長期的に収穫をすることができます。
ハウス栽培により、寒冷地では夏から秋にかけて、暖地では冬から春にかけて、長い期間にわたり収穫をすることができます。

3. 高設栽培

イチゴは高く上に伸びる植物ではないため、地面に植えた場合、手入れや収穫を地面に近づいて行う必要があります。長時間かがんだ姿勢での作業は、作業者に大きな負担となります。
この解消のために、イチゴを植える地面を、作業通路となる地面より50センチほども高くする栽培法も行われています。

高設栽培はこれを設備によって改良しようとするもので、立ったまま作業ができる高さのところに、鉄パイプやシート、発泡スチロールなどを使って栽培槽を置き、イチゴを栽培する方法です。

設備の初期投資がかかるほか、地面から離れて栽培するために、栽培の工夫や特別な設備の維持費用も必要になります。

これから新規に農業を始めようとする者にとっては、農業経営の安定と成長のために、初期投資の負担や、栽培が軌道に乗るまでの技術的な困難が大きくとも、長期的に作業効率を改善し経営の拡大を図る余地が大きい高設栽培が、最も適しているのではないかと思います。

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農業におけるイチゴの価格を考える [農業]





イチゴの価格について、厳密な統計としてではなく、非常におおまかな目安として、ぼんやりと考えてみたいと思います。

イチゴの中でも販売単価が最も高い品種「あまおう」は、福岡県のウェブサイトによると、2011年(平成23年)産の農協共販実績では、販売単価は1キロ当たり1,201円で、主産県では全国1位であるとのことです。
これは卸売価格のことでしょう。

先の記事にも紹介した静岡県農林技術研究所の2012年の報告にある試算について、その試算単価を計算してみると、1キロ当たり983円から993円くらいの数字が用いられているようです。
ここでも農家が農協へ売る時の卸価格が使われています。

小売価格、つまりスーパーなどの店頭でイチゴが売られている価格は、季節によっても、品種や等級、大きさ等によっても、かなり異なるようです。
よって平均単価いくらという統計はとれませんが、小売価格と卸売価格の差額が、小売業者や流通業者の利益となります。

農家が生産者として卸売に専業した場合と、通販を含め直販で売ることができる場合とでは、農業の利益が大きく違ってくるであろうことは想像できます。

ただし小売価格とは、流通経費を負担するだけではなく、小売店が持つ大きな経営資源を活用したことにより実現できている価格ですので、生産者が小売を行えば容易にこの値段を実現できるということではないと思います。

イオンでもセブンイレブンでも、流通業者の力というものは圧倒的に強いと思います。
これは彼ら流通業者の長年にわたる経営努力の結果ですから、農家が小売を始めればすぐに得られるという値段ではないでしょう。

しかし今後の農業の発展も考えた時に、この利益を、今以上に生産者側が獲得できるようなビジネスのあり方というものも、必要であろうと思います。
農業ビジネスを始めようとする人は、ここをどう考え、施策として実行していくかが大切であると思います。
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イチゴの反収はどれくらい? [農業]





農地あたりどれくらいの収穫があれば、農業で利益を出せるでしょうか。
イチゴに関する反収のデータを調べてみました。

農地1反あたりの農作物の収穫量を「反収」といいます。
1反は約10アールですので、正方形にすると1辺31メートルくらいです。

静岡県農林技術研究所の2012年の報告には、新規就農者によるイチゴの高設栽培の場合、栽培面積40アールで反収6.5トンを確保できれば、所得800万円の達成が可能となるという試算があります。
(この試算は、イチゴの販売を農協に出荷することが前提になっているので、その売価が使用されていると思われます)

そこまでいかなくとも、栽培面積25アールの場合、反収4.5トンで農業所得は300万円、反収6トンで540万円を得ることが可能、という試算になっています。

この反収6.5トンというイチゴの収穫量は、とても優秀な農家の方でなければ、達成は難しいかもしれません。

反収7トン前後という農家もいらっしゃるようですが、反収6トンもかなり高いハードルのようです。
優れた農家の方でも、多収穫を目指さない質の良いイチゴで反収4トン弱、ケーキ用のイチゴで反収2トンくらい、というケースもあります。
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農地を保有できる法人は、農業生産法人だけです [農業]





法人が農地を所有することには、法的な制限があります。

農地を所有できる法人は、農業生産法人のみです。

農業生産法人とは、農地や採草放牧地を利用して農業経営を行うことができる法人のことです。
株式会社や合同会社なども、要件を満たせば、農業生産法人になることができます。

農業生産法人ではない法人、例えば一般の株式会社などは、農地を所有することはできません。
一般の株式会社は、解除条件つきで、農地を借りることはできます。

農業生産法人は、認可を受けて「農業生産法人」という法人になるのではなく、農地法に定められた要件を満たしている場合に、農地を保有できる法人になれる、というものです。
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